芥川

とりあえずね、2月20日以降に考えてた事はこうも弱い自分を強くしたい一心で、どうしたら強くなれるのかって事をまじめにいろいろ考えてました。今思えばほんとに追い込まれてたんだなって自分でも恥ずかしくなるような事だけど。そんな中で何やっても中途半端なのが良くないと思いまして、本気で転職考えたり、おれは一人で考えて自滅するタイプだからいろんな人ともっと話をしないといかんとか考えて、会社の人にこの半端な会社を今後どうしたいんだって事を聞いたりして。話してるうちに自分だってそういう状況に甘えてんだろって事もわかって、本当に自分にできる事をやりつくさないといくら理由をつけても転職するという選択も逃げでしかないって思い、とりあえずはもう1年働くことにしました。
他にも考えたのが知識も半端だし本でも読むかなって事で、芥川龍之介を始めから読んでみようと思い今も読み続けてます。今は大正10年の作品のとこまできてるけど正直ちょっときつくなってきた。とりあえず、まず芥川を選んだ時点でかなりおれの選択は間違ってたかも。なんかね、心理的に嫌なとこっていうか痛いとこを思いきりついてくるんだよね。大正7年以前の作品に羅生門芋粥地獄変とかの有名なのが多くてめちゃくちゃ面白いけどとにかく心理描写が痛い。芋粥なんてほんとによくもここまで書けるもんだなって思うよ。でも、大正8年ぐらいから芥川も急に質が落ちるようになるんだよね。おれも文学的な事がわかる訳じゃないけどそれははっきりわかった。題材の選び方とかテーマの描き方が狙ってやってるなってわかるようになって。それでも文章とか表現描写が格段にうまいから入り込めるんだけど詰めが悪いんだよね。で、自分でも書けない事を自虐的に書いたりするし。最初からとんでもなくすごいものを創っちゃって、今はそれを上回るものを期待されてるし自分でも書きたいと思ってて、でも書けない苦しさとかそういうのが作品から滲み出てて。大正10年の山鴫なんかは久々にうまいなと思えたけどそれでも初期の作品には届いてないし。読んでる方もね、初期の頃の面白さとか感動がとんでもなかったからそれと比べると今読んでるとこは苦しい。今は好色を読んでるんだけどあんまり文字が目に入ってこないんで止まってます。
角川文庫判の芥川を読み始めた時は全部読み終わってから日記再開しようかと思ってたんだけど、このままだと始めの頃の印象も薄れそうだからやめました。ほんとは作品ごとに読後感でもつけようかなって考えてたんだけどちょっと苦いかね。